2007年6月6日水曜日

基本は「あいさつ力」

キッズイングリッシュクラブの子どもたちはとても元気です。私がレッスンに行く幼稚園の生徒たちは私の姿を見かけるとすぐ'Hello!'と言って駆け寄ってきてくれます。思わず笑みがこぼれ、なんて素敵な子ども達だろうと思います。 

 小学生になると少しはにかむ子もでてきます。でも私のレッスンルームに入ってくる時は'Hello!'と言って入ってくることがルールになっています。何も言わないで入ってくると、私は駆け寄り、'Hello, ○○!'と名前を呼んで声をかけます。そうするとほとんどの子は'Hello.'と返してくれます。高学年になるともっと恥ずかしさを増す子どももいますが、ルールはルールです。なにも言わずに入ってくる子はもう一度入室からやり直しです。

 どうしてここまで「あいさつ」にこだわるかというと、「あいさつ」がとても大事な社会的マナーであるからです。社会にでれば「あいさつ」が人間関係の潤滑油になります。そして何より、あいさつはまわりの人をハッピーな気持ちにし、自分もハッピーな気持ちになれるからです。 

 少し前のことですが、ある小学生の先生が言っておられました。「私が朝、教室に入って、「おはよう」と声を出して言ってくる子どもは1クラスに一人いるかいないか、私が「おはよう」と言うと「おはよう」と言ってくれる子どもが三分の二、ほかの子はなにもいいません」。先日親しい小学校の校長先生とも話していましたが、「あいさつできる子がなんだか減っていますね」・・・・これは日本の未来の危機ではないでしょうか。

 では、私たち大人はなにができるでしょうか?まず、いいお手本を見せることです。幼稚園の先生はみなさんとても大きな声ではっきりと、笑みを浮かべてあいさつされます。これは幼児期の子ども達にとって大変いい見本になります。そして、一番近くの母親がベストモデルになるのがいいですね。子どもは親を見て育つといいますものね。

 但し、お母さんが素敵なあいさつをされても、そばにいらっしゃるお子さんが全然口を開かない場合もあります。私はなるべく子どもの視線の高さになって「こんにちは」「おはよう」と声をかけるようにしていますが、それでも声を出さない子がいます。お母さんが「ほら、こんにちは、って言ってごらん」とおっしゃるとますます口が一文字になります。その気持ち、なんとなく私にはわかります。でも、あいさつはマナーですから、できれば幼児期から躾られるのがいいと思います。

 私には二人の息子がいます。私たち夫婦は、(少し語弊があるかもしれませんが)多少頭が悪くても、あいさつが元気にできる子に育って欲しいと願っていましたので、家の中では「元気なあいさつ」が一番のルールでした。
 幼児期、息子たちは保育園に徒歩通園していました。次男はほぼ毎日夫と通園していましたが、夫は息子にこう言っていました。

 「いいかい、お父さんとトオルとどっちが元気にたくさん’おはよう!’ってみんなに言えるか競争しよう。」

 これは大変効き目がありました。彼は道で会う人にとにかく毎朝「おはよう!」と言いました。近所でも評判になりました。小学生になると、道で労働している人に「ご苦労さまです」と声をかけていました。スーパーの店長さんとも仲良くなりました。今は中学生になりましたが、成績はなかなか上がらなくても、元気にあいさつする彼を誇りに思います。躾もアイデア次第です。

 英語は世界の「コミュニケーション・ツール(道具)」ですが、英語力より大事なこと・・・それが「あいさつ力」です。それに「アイコンタクト」と「笑顔」があれば100点です。

 私たちは英語のレッスンを通して、子ども達にこの「あいさつ、アイコンタクト、笑顔」を伝えていきたいと思っています。

by J. Matoba